柾美くんシリーズ

Light blue ストリート

 芳野柾美は読書クラブに所属する高校1年生。月1回の定例読書会で光谷麻衣子の存在に気づく。先輩を向こうにまわして発表する読書感想が柾美とまったく同じなのだ。麻衣子は以前から同じ本を同じ時期に読んでいる柾美を気にかけていたという。そんな彼女が夜の公園で男とこっそり合っているのを目撃してしまった柾美は、あろうことか麻衣子から恋の相談をもちかけられてしまう。その相手が同じクラスの石橋滋だと気がついたとき、柾美にとっても麻衣子が特別な存在になっていた。

3・30PM交差点

 柾美は2年生になり麻衣子と同じクラスになった。石橋は両親から麻衣子との交際を反対され、高校を休学して一人暮らしをはじめている。麻衣子への想いを捨てきれないまま、ふたりを応援する柾美。通学・下校途中の交差点で、いつも柾美を見ている1年生がいた。松岡美世子と名乗る彼女は、以前から柾美といっしょに歩くのが夢だったという。マイペースな美世子に面食らいながら請われるまま付き合いを続けるが、デートの約束をすっぽかされた上意外な事実を聞かされて…。

青色エクスプレス

 夏休み、柾美は受験に対する考えをまとめようと旅行を計画する。ブルートレインの中で気まぐれな女性・ミチヨに出会う。途中下車したミチヨの忘れ物に気づいた柾美は、彼女を追って列車を降りてしまう。常識の範囲内で行動する柾美を「つまんない人間」と言い捨てるミチヨ。人をバカにし気ままに行動する彼女にハラを立てながらも、柾美は何か事情がありそうで放っておけず、彼女の家までつきあうことになる。

大気の塵

 読書クラブの柾美は文化祭の準備で忙しい。そんな柾美の家を夜、麻衣子が突然訪問する。母親とケンカし、石橋には両親に理解してもらえるまで待てと言われ家出してきたのだという。ふさぎこんでいながら遠慮と気遣いを見せる麻衣子に、柾美はじれったさと痛々しさを感じる。翌日学校に姿を見せなかった麻衣子を案じるが石橋とは連絡がつかない。柾美は麻衣子の母親に話をするため彼女の家へ向かう。

鳥にだってなれる

 文化祭の企画に協力してくれた作家の助言を得て、柾美は日々の出来事やそのときの気持ちをノートにかきとめることにした。まだ忘れられていない麻衣子への想いを整理する意味もあった。そんな時、友人にいっしょに海外留学しないかと誘われる。冗談のつもりで両親に話すと、話はとんとん拍子に現実化しまう。クラスメイトの森井にノートを見られた柾美は「文章にすることでバラバラだった気持ちに整理がついたけど、まだ解決が見えない。もっと高いところから客観的に見なきゃいけないんだ」と告白する。柾美の帰国を森井は待つと言った。さまざまな想いを抱きながら、春、柾美は冬鳥のように海を越えていく―。