昔気質のラブソング

スキでたまらない

 大沢あおいは一流企業のOL。育ちのいいお嬢さんばかりが勤める職場でうまくやってきた。ある日風来坊の兄・勇作が訪ねてき、隣室の未亡人・清子さんに一目ぼれ。勇作が面倒を起こすんじゃないかとやきもきするあおいをよそに、勇作は定職について清子さんと一緒になると言い出す。


夜明けの紙風船

 日出子は19歳の家出娘。単身赴任の父親も留守を預かる母親もそれぞれ愛人を作って、日出子の居場所はない。酔っ払っているところを勇作に拾われついていくと、超豪華なマンションで宴会が始まる。賑やかな中でうとうととしている間に宴会はお開きとなっていた。得体のしれない勇作に不審を抱きつつ、いっしょにいることを決める日出子。その夜、マンションに賊が侵入し大乱闘。騒ぎ立てた日出子の声に警察が現れる。
 マンションの部屋は格闘のあとで荒れ果て、宴会で華やかに膨らんでいた紙風船が破れて床に転がっている。この紙風船みたいになる前に家に帰れと言う勇作に、いっしょにいくと日出子は言い張る。ちょっとばかしオトナっぽいスーツに着替えた日出子にトキメキを感じつつ、それでもいいかと思いはじめた勇作の前に、日出子の元カレ・ヒロシが現れる‥。


雪のむこうがわ

 木枯らし吹く街角で、またしてもあおいの前に現れた兄・勇作。今回はちゃんとした仕事、曰く「食堂の番頭」に就いているという。あおいは彼女に想いを寄せる刑事さんとともに、勇作の仕事先「オオモリ亭」に向かう。なんと「オオモリ亭」は高級レストラン。勇作はなぜかここの支配人におさまっていた。そこであおいは、幼なじみの初子と再会する。勇作は初子から自分が初恋の人だったと聞かされ、不遇な身の上に同情する。小雪がちらつく夜の町を歩きながら故郷の雪の中をずっと勇作と歩いていたかったとつぶやく初子。勇作は店の金を一時借りて、故郷にいっしょに帰ろうと持ちかける。
 翌朝、刑事さんから初子が詐欺の常習犯だと聞かされるあおい。急いで勇作と初子の後を追う。
帰郷の道中、勇作のスキを伺って荷物を持ち逃げしようとする初子に、勇作は初子の過去を知っていることを打ち明ける。故郷に帰ってやり直すなら手を貸す、今ならさまざまな過去を雪の白が覆い隠してくれるだろうと言う勇作。初子は「勇作を好きだったのは本当だから、あなたといっしょには帰れない」と、列車をおりていく。

はじめに咲く桜