1990年〜1991年作品

トロンプルイユ

ガラスのペガサス

花の女子大さのよいよい

明日はもっとすばらしい

 史村あすかの今日は、朝からケガをしたりチカンに遭ったりととんでもない1日だった。おまけに島田くんとのデートに遅れていったことでケンカになり、思い返すも気が滅入る。夜、今日という日をもう一度やり直したいと願いつつ眠り、朝目覚めてみると昨日と同じ日が始まっていた。戸惑いながら会社に行くと、やっぱり同じ展開が待っていた。2回もイヤな思いをしなきゃいけないなんて冗談じゃない。明日も同じ日なら、今度こそミスをせずに切り抜けてやる!勢い込むあすかは、果たしてあの悪夢の1日を挽回できるのか?そしてその先に待っている「明日」は…?

アドバイサー

MINE−マイン−

ワン・オブ・ゼム

 成績優秀な間宮映一は母の友人のコネでようやく就職浪人を免れた。しかし森丘という先輩社員が馴れ馴れしく仕事に行くのが鬱陶しい。ある日、森丘に見せられたスナップ写真に見覚えのある男性が写っていた。彼の父親の森丘専務らしい。思い当たるところがあって母親に問いただしてみると、やはりその人が映一の父親だという。母も、父親も、その息子の森丘も、母の友人ですら知っていたのに自分だけが知らなかった。だまされた思いだと愚痴る映一に、恋人のしのぶは「自分だけが主人公じゃない」と諭す。誰もが嫌な思いを自分で消化しながら生きているのだ。家庭が不完全だと思む被害者意識で自分のことしか考えていない、傷つきたくなくてひとりでつっぱっていただけの人間が、周りが思うように動かなくなったからとあたりちらすのはお門違いだと。実はしのぶも、母子家庭を理由に映一との交際を両親に反対され、毎日彼の弁護をしていたのだ。しのぶが帰ったあと、偶然居合わせた森丘が映一と同席する。「父から異母兄弟がいると聞いたときは驚いたが、父には父の生き方があるのだから」という森丘の言葉に、映一は自分の周りの人たちの生き方を考え、身勝手だったこれまでの自分を省みる。母も父もしのぶも森丘も、それぞれがそれぞれの人生を営んでいる。そして映一自身も、決して特別ではない、彼らの中のひとりなのだと。

あわせて150

ぼうけんの日

 樹(みき)は小学4年生の女の子。4歳のときに母親が家を出てから父親とふたりで暮らしていたが、最近父親が新しいお母さんになる人をつれてくるようになった。そして新しいお母さんが来たら樹は祖母の家に預けられるのだと噂に聞き、樹は母親に会いに行くことにした。暑中見舞いのハガキをたよりに電車を乗り継いで母親の住む町を訪ねる。母親といっしょに住んでいる男の人と並んでラーメンを食べていたら、本当の親子のように感じる樹。
 ケンカに巻き込まれて警察に保護された樹を、父親と新しいお母さんが迎えに来た。お父さんはお母さんを「悪い母親」と言うけれど、いいとか悪いとか、どうして区別しなきゃいけないのか樹にはわからない。「悪い母親」のお母さんは、それでも樹を守ってケンカしてくれた。でも樹にはお母さんがいい人でも悪い人でもかまわない。どちらにしても、もう一緒にいられないのだから。

なんか妖怪!?

 青空商会の新人営業マン・朝海。金運や幸運に恵まれるという胡散臭い金のカエルの訪問販売が彼のお仕事。ところが押しの弱い朝海にこの仕事は向いていないようで、友人の矢鶴のように要領良くノルマをこなせない。今日も上司に怒鳴られて、公園で途方に暮れていた。そこで知りあった保篠というご老人を家に送っていった朝海は、お礼に古い本をもらう。矢鶴の強引なすすめで古書店に持っていくとプレミアつきの貴重な本だと判明。こんな高価なものはもらえないと再び保篠邸を訪ねると、そのかわりに金のカエルを買ってくれるという。不思議な縁で保篠夫婦のお友達とも知りあいになったものの、暴力団の元組長に有名画家、資産家婦人と個性的な富豪ばかり。矢鶴は朝海が彼らに気に入られたのをいいことに、秘かに養子縁組みを完成させて財産を乗っ取ろうと企むが、海千山千の老人たちにあっさり計画を看破され、さっさと追い出されてしまう。実はお互いに惹かれあっていた朝海と矢鶴の恋人・妃呂美との仲もうまくいき万々歳。偏屈で頑固だけど、おちゃめで何だか妖怪じみたご老人たちのペースに流されつつも、朝海の周囲にはあたたかい風が吹きはじめていた。

世間のジョーシキ

ロストガールPART I

 恋人のさぎりが取材旅行に出てから1週間、予定の日を過ぎても帰ってきた様子がない。約束のデートをすっぽかされた直哉は帰宅途中、祭りの喧騒の中、さぎりの姿を見かける。彼女の部屋を訪ねてみると、さぎりに面差しのよく似た男と出会う。さぎりの弟・ウサギだと名乗る彼と、翌日から一緒にさぎりを探すことになった。楽しげに直哉についてまわるウサギは、なまめかしい女コトバで直哉と一緒にいたかったのだと言う。男に告白され、アタマがどんどん混乱していく直哉。そんなある日、重役から縁談が持ち込まれる。いつまでたっても所在が知れないさぎりを諦めるべきなのか。ウサギにそう打ちあけると「さぎりを思う気持ちはその程度のものだったのか」と責められてしまう。ウサギに懇願され、アパートにいっしょに帰った直哉の前で、満月の光の中ウサギはさぎりに変わる。祭りで知り合った不思議な少年にそそのかされて、身体を入れ替えたのだという。ところが少年はそのまま消えてしまい、もとに戻る方法は誰にもわからない。ともに過ごした一夜が明けてみると、さぎりはまたウサギの姿になっていた。昨夜は一時的に身体が戻ったらしい。何が何だかわからないが、とにかくさぎりの姿をした少年を見つけるしかないらしい。祭りと満月をキィワードに、二人の「さぎり探し」が始まる。

ロストガールPART II

 ウサギ姿のさぎりが直哉の会社を訪ねてきた。今夜Y県で行われる「湖水の夜祭」がちょうど満月にあたるのだという。一刻も早くもとの姿に戻りたいさぎりに強引に引っ張られ、直哉は汽車に乗る。男の姿である自覚がイマイチ足りないさぎりは人目もはばからず直哉に寄り添い、行く先々で好奇心の視線にさらされる二人。祭りのさなか、一人はぐれた直哉は、あの少年を見つける。ところが懐かしいさぎりの姿に心を奪われている間に、今度は直哉の身体が乗っ取られてしまった。直哉だと偽ってさぎりの前に現れる少年。彼はもともと人には見えない存在だから、どんなものとでも形を入れ替えることができるという。祭りの常にないエネルギーに引き寄せられるのだと。さぎりの姿に変えられてしまった直哉は、とにかくもとに戻してくれと発狂寸前。「もう潮時だから」とあっさり了承して少年は消えた。あとに残ったのはさぎりと直哉の本当の姿。でも中身は…逆。…やっぱりまだまともな恋愛関係には戻れない二人なのだった。

哀しい王国

遠い道程

 出版社に勤める歩(あゆみ)のもとに、父の訃報が飛び込んできた。突然の知らせにも、ひどく冷静な自分がいる…。実家に向かう列車の中で、気詰まりな思い出しかない写真を出して見る。外見も性格も似すぎていたせいか、どこか他人行儀だった父。幼い頃の思い出と言えば、牛乳配達の仕事につきあって、走る車の助手席に座っていたことくらい。歩が社会に出、自分の足で立っていると知ってから、父はにわかに小さくなっていったような気がする。寝込む事が多くなった晩年ですら、父は歩に感情をぶつけることはなかった。それは歩とて同じ。お互いに愛情表現が下手だったばかりに、最後まで交わることのない道を果てしなく歩いていたのか…。亡くしてはじめて知った父の不器用な愛情。自分から歩み寄る事もせず、わかりあえなかった時間を嘆き、今はただとめどなく涙があふれる。そして最後の別れをするために走るこの道は、昔父と二人で通った、夜明けの海へ続く道なのだった…。

あなたも迷探偵

 雑誌の読者アンケートとプレゼントを兼ねたクイズ形式のまんが。2〜4ページで、最初はまともななぞ解きであったものが、次第に怪しくなっていく。毎回いささかこじつけめいたクイズをK探偵とワト犬くんが展開。さりげなく次回掲載作品の紹介や私生活を語ってしまうおまけつき。全15話、BE・LOVEミステリー創刊から廃刊まで続いたシリーズでした。

ネズミたちの週末

 結婚して、都心から2時間半もかかるイナカに家を建てた浩司とまつみ。その二人の小さな家にまつみのおかーさんが転がり込んできた。長男のヨメ、香子の厚かましい態度が気に入らないと言う。ところがそこで目にしたのは、割烹着と姐さんかぶりがすっかり板に付いた都会育ちの娘の姿。おかーさんは愕然とする。家の中を堂々と徘徊する大型雑種犬、静かすぎる住環境、同じほどの年齢なのにやたら老けて見える近所のおばさん。次々と襲いかかるカルチャーショック。もしかして娘といっしょに暮らすってことは、自分もこのこぎれいなカッコに決別するってことかしら…?
 そこに長男夫婦がお迎えに現れる。口の悪い香子さんが言うことにゃ、「まつみちゃんたちを都会に引き戻せばいいことよ。」
 都心に帰ろうと言う母の提案に、「私たちはもうイナカのネズミになちゃったから」と断るまつみ。やっぱり自分のすんでいるところがいちばん。
 まつみの言葉に、自分の居場所を認識したおかーさんは、強敵香子さんとともに都会の自宅に帰るのだった。

ゲームみたい!

 照明のデザイナー・滝川は、同じビルのショールームで勤める圭子にプロポーズ。ところがまだその気になれないとすげなく断られてしまった。ある日圭子の後輩、実生(みお)が現れた。偶然出会った後、思いつきのように同じ売り場に就職してきたのだ。これまでもさまざまな仕事に飽きては転職してきたという実生。彼女はゲームのようにおいしいとこ取りで人生を楽しむのがポリシー。実生は滝川に一目惚れ(?)したと、物怖じしない素直さで強烈アプローチ。このマイペースぶりもバイタリティーも学生時代から変わらないらしい。滝川はデザインの仕事に興味を持ったという実生に押し切られるかたちで世話を焼くことになる。デザイン学校の恩師に紹介したり課題を手伝ったりと甲斐甲斐しく面倒を見ていたが、次第に一緒に暮らしてもいいような気になっていく。そんなある日、実生は他社の企画部に声をかけられたから学校を辞めると言い出した。滝川は自分もまた、選り好みする実生の人生の踏み台でしかなかったと怒り、彼女に別れを告げる。翌日圭子に「彼女の押しの強さがあなたにあればプロポーズを受けたかも」といわれ喜んでいると、実生が「考えを改めた」とふたたび出現。滝川はまたしても実生につきまとわれることになりそう …。

100万回キライ

 高鳥家のなつみと葉一は義理の兄妹。10年前両親の再婚でいっしょに住みだしてから、毎日毎日ケンカばかりしてきた。そのなつみがこのたび、めでたくも結婚することになった。相手は葉一の親友。家族は結婚式の準備に追われるているし、友人は天敵に盗られてしまったようでひとり疎外感を感じる葉一。結婚式当日は、単独旅行にでも行ってしまおうと考えていた。それを察知したなつみに「両親のことを考えて式にはでてほしい」と言われ、しぶしぶ出席することになる。ドレスを着たなつみは見たこともないほどきれいで、意地をはって敵対していた10年間のあれこれを後悔してしまう葉一。妹として旅立っていく姿を見ながら、もう大ゲンカをすることもないと思うと思わず涙がこぼれてしまった。
 …が、明けてみると生活はなにひとつ変わっていなかった。新婚のなつみは旦那とともに、引き続き高鳥家に住むことになっていたのだ。そしてまた、毎日怒号の響く朝を繰り返すのだった。

青い鳥ことり

 ヤクザがらみの借金に追われ逃げ回っているレージを訪ねた律花は、監禁されている男の子・翔を見つける。金に困ったレージが思い余って誘拐したという。しかし翔は父を後妻の弟に殺され、厄介者である自分では身代金は望めないという。その翔には特殊な力・超能力が備わっていた。母親に封印されていたその力を目の当たりにしても動じない律花に、翔は次第に心を許していく。警察とヤクザに追われるレージと律花は、母親のもとに帰りたいという翔をつれて逃亡を図るが、翔を始末するため叔父が追ってくる。叔父から、翔を迎えに来ようとした母親を殺害したと聞き、さらに律花たちの危機を見て取った翔は、怒りに思念を増幅させる‥。

星のくさり

 綾子はアパートの隣人、桐谷とその娘のぞみと知りあう。父親として無責任に見える桐谷は、危険な仕事に失敗して2年の刑期を終えてきたばかりだった。のぞみは見覚えのない父親になつかず、桐谷は当たり散らすが、娘への愛情は持ち合わせていた。のぞみが大切にしている星の形のブレスレットを見て、亡くなった妻への想いに涙する桐谷。昔の仲間に追われて逃げる桐谷親子にハズミでつきあうことになった綾子は、のぞみのためにまともな生活をするべきだと話す。桐谷はのぞみを綾子に預けて一人昔の仲間に話をつけに行く。何かあれば、祖母のもとにのぞみを送り届けてやってほしいとメモを残して…。
 時が過ぎ、綾子は祖母のもとで大切に育てられているのぞみを目にする。彼女が今も大切にしている星のくさりを拾ってやりながら、妻と娘を想いながら逝ってしまった父親を忘れずにいてほしいとひそかに願うのだった。

ローマの日曜日

 澤田のおばあちゃんは孫の貴史と2人暮し。その貴史がある日いきなり婚約者を連れてきた。しかも相手はイタリア人の金髪美人、カテリーナ。寝耳に水の婚約騒ぎの上に外国人に免疫のないおばあちゃんは大パニック。でも翌日から花嫁修業に足しげく通うカテリーナをカテさんと呼んで次第に仲良くなっていく。結婚式にやって来るイタリアの親戚に恥かしくないようイタリア語の勉強を始めるおばあちゃん。そんなおばあちゃんに貴史とカテさんはイタリア旅行に行こうと持ちかける。息子夫婦を亡くして以来、懸命に育ててきた孫の心遣いを喜ぶおばあちゃん。パスポートを取るため市役所に行こうとしてめまいを感じたおばあちゃんは、イタリア旅行の夢を見ながら静かに息を引き取った。カテさんは生前の約束どおり、墓前におばあちゃんの好きだったピンクの薔薇を供え、遺影を抱いて2人はイタリアへ旅立つ。働きづめだったおばあちゃんに、ローマで人生の日曜日を楽しんでもらうために…。

宇宙なんか見ない

 小学生の真也(しんや)は、最近のお母さんとお父さんの様子がおかしいことに気づいていた。お父さんは毎日帰ってこないし、お母さんは日に日に不機嫌になっていく。幼い弟・矢(ただし)の面倒を見ながら、お父さんが教えてくれた星座を見つめていた。学校の友達にウソつきよばわりされた真也は、夜、矢をつれてお父さんと以前UFOを見た本町の公園に行く。そこでふたりは、出張に行っているはずのお父さんが、違う家族のお父さんになっているのを見てしまう。「あれはお父さんに似た宇宙人だ」と矢を誤魔化し帰宅する真也。下校途中、ふたたび訪れた本町の公園近くで、お父さんのもうひとりの子供に会う。無邪気に父親に買ってもらったオモチャを見せられながら、お父さんは宇宙人になってしまった、もう矢に星の話もしてくれない。地球人には戻れないんだと確信する真也。
 そして家族最後の食事の日、真也はお父さんが買ってくれると言った天体望遠鏡を拒否する。お父さんがUFOといっしょに、どこか遠い宇宙の果てに行ってしまうのなら、もう僕はUFOを探さない。もう宇宙を見ないから、天体望遠鏡はいらないのだと…。真也はお父さんとの離別を確認し、お母さんと矢を守ると決心するのだった。

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