『日本漫画家名鑑500』 1992年 アクア・プランニング

●エピソード
 
コメディーもシリアスも巧みにこなす河あきらには家族を描いた作品が多い。
 ペンネームは同人誌時代に付けたもので、“あきら”は石丿森章太郎の“章”を意識していたかも、という石丿森ファンである。同人誌も石丿森らが創設した“墨汁一滴”から派生した“墨汁三滴”。この本も細井雄二、ひおあきらなどの作家を生んでいる。
 デビューは「別冊マーガレット」のまんがスクール金賞受賞作である『サチコの子犬』(昭和43年4月号)。ちょうど高校卒業時の受賞だったので、就職気分で漫画家になったという。デビュー直後はコメディー中心だったが、次第にシリアスも描くようになった。初期の代表作はシリアスが多い。時期を離しながら描いた『ゆがんだ太陽』『渡り鳥北へ』『太陽への道』の三部作、『あなたは笑うよ』などでは、悲恋の結果となっている。
 デビュー10周年を迎えた時に、連載していた『いらかの波』は、少年の成長を丸々4年に渡って描き続けた、少女漫画としては異色の作品である。これは、コメディーとシリアスをバランスさせた、少女誌での河あきらの集大成といえよう。この後、活躍の舞台はレディース・コミック中心へと変わっていく。作品の傾向は、ペーソスを交えた人間ドラマに固まり、また、本人の趣味でもある旅行を題材にすることも多くなった。
 家族を題材にした作品が多いだけに、本人も仕事のない日は実家に戻る、という家族を大切にしている作家である。

●代表作品
いらかの波/あなたは笑うよ/OH NO!(逢野ストーリー)/ジャングルナイト/すでにもう善人/わすれな草/ゆがんだ太陽/太陽への道/さびたナイフ/故郷の歌は聞こえない/シンデレラ戦争/雨ふり日記/インディアン・サマー/ビギナーズ・ラック/今夜は帰らない/うぬぼれ指数/ふきげんな系譜/おれたちの大団円/PIETA-遠い夜の腕/ソルティ・ムーン/朝陽翔びだす!/あしたのシノプシス/ぼうけんの日/かっぱの朝ごはん/クミコの冒険/シロ・アゲイン/なんとかしてよ/日曜日にケーキ買って/日替わりコレクション/ロスト・ガール/二重想/花の女子大生・さのよいよい/家庭の2乗/アドバイザー/世間のジョーシキ/ガラスのペガサス/生きていく理由/魔法の粉

(原文まま)