WONDER!
(第1話〜第10話)

PART.1

 日南かおりと大洋は互いを束縛しないのがモットーの夫婦。ふたりで気楽に生活していた。かおりが酔った勢いでノラ犬「ワンダー」を拾ってきた翌朝、大洋の姉・美也が亡くなったという知らせが入る。葬儀に参列したあと、美也の一人息子・航太を引き取ることになった。25歳にしていきなり9歳の息子ができてしまったかおりは不満たらたら。航太は誰よりも早くワンダーに心を許したようだった。ある夕刻、かおりはワンダーと歩いている航太を見かける。あとをついて行ってみると一軒の家。航太はこの家の男に母親を殺されたとうちあける…。

PART.2

 航太とワンダーが日南家に来てから6年が過ぎた。中学3年生になった航太は、母・美也が勤めていたスナックで父・島岡の消息を知らされる。島岡に会った航太は、一人息子を亡くした島岡に養子に迎えたいと望まれる。日南家に留まるべきか父親のもとに行くべきか悩む航太。一方妊娠2ヶ月のかおりの前に、昔大洋と別れた女性が立ちはだかる。大洋を諦めきれないと叫ぶ彼女の手にはナイフが握られていた…。

PART.3

 近所で通り魔事件が相次ぐ。高校生になり部活のバスケットボールに汗を流す航太はクラスの中でも好感度が高い。不良グループのイクミも何かと声をかけてくる。クラスメイト・相川がイクミの彼氏・沢木のグループにいじめられているのを知った航太は、沢木たちと話し合い、相川の相談にのろうとするが…。

PART.4

 呼び出された夜の公園で暴行を受けた航太は意識不明のまま入院。間もなく航太の意識は回復するが、警察には呼び出されたことも誰に殴られたのかも覚えていないと話す。次々と見舞いにおしかける友人たちに感動するかおり。大洋は相川に「沢木たちのグループが航太を狙っていた」と聞かされ、平静でいられなくなる。やがて退院した航太は殴った相手と直接話をするべく出かけていく。

PART.5

 バイト先のスナックで航太は年上の女性、珠里と知りあう。珠里はデートに誘ったりバイトが終わるのを待っていたりと、航太に関心がある様子。航太もどこか淋しげで他人を信頼できない珠里が気になっていた。そんな航太をワンダーはある場所につれていく。そこは航太の母親を殺した男が当時住んでいた家。ある日大洋は電車の中で痴漢騒ぎに巻き込まれる。疑いは晴れたものの、大洋に濡れ衣を着せ姿を消したのは珠里だった…。

PART.6

 日南家にかおりの母親が訪ねてきた。かおりにも航太にも悪態をつき、かおりは荒れる気持ちをおさえられない。航太は気にする様子もなく、みやの迎えにかおりの母親を誘う。保育園では派手な母親に怒鳴られながら帰る男の子・トシヤを見かけ、その子のアザが気になる航太。ある日みやがケガをしたことがきっかけで、かおりは母親が再婚した相手から幼いかおりを守るために懸命だったと聞かされる。これまでの誤解が溶け、かおりと母親の関係が和んだとき、航太は家族という枠の中に自分は入りきれないと感じ、家を出る。

PART.7

 航太が沢木の家に泊まった翌朝、かおりは家の前で航太の帰りを待っていた。本気で怒るかおりを見て、航太はまだもう少しこの家にいたいと思う。バイトの帰り、航太はトシヤの母親が男とふたりでパチンコ屋に入るのを目撃する。トシヤの身を案じアパートに行ってみると、そこには腕を机の脚にしばられて泣きじゃくるトシヤがいた…。

PART.8

 トシヤの母親が夫に暴行され入院した。その間トシヤを預かることにしたかおりだが、反抗的なトシヤをどう扱っていいか途方にくれる。病院ではかおりの母親が、トシヤの母親から今の境遇を打ち明けられる。夫の働いていた運送会社が倒産し、職がみつからないのだという。航太は母親に反発するトシヤにも「トシヤくんのことをいちばんに考えているのはお母さんだよ」と諭すが…。

PART.9

 かおりの母親が昔の恋人・畑中とよりを戻し、日南家の隣に越してきてから4ヶ月が過ぎた。昔、幼い自分に手を出そうとした男だと聞いたかおりは気が気じゃない。大洋が出張で家を空けた夜も、畑中がみやに近づかないよう神経をはりつめていた。そんなとき、大洋の兄から息子が家出し行方不明になったとの知らせが入る。一方、航太は高校卒業後の進路を具体的に検討していた。

PART.10

 大洋が目にした万引き少年は航太ではなく、兄の息子、海斗だった。長男という立場に息苦しさを感じ、家出してきたのだという。万引きをしたり嘘をつくことに罪悪感を感じない彼の態度にかおりや大洋は動揺を隠せない。遊ぶ金がなくなった海斗は、航太の机の中から通帳を持ちだし、さらには航太の父親・島岡を騙って金の無心までする始末。ワンダーの機転で事無きを得たが、ヤケになった海斗は航太に「いい子ぶって同情を買うようなまねをするな」とあたり散らす。航太は自分を心配してくれている人を思いやらず身勝手に振る舞う海斗の気持ちが理解できず「これ以上まわりの人を振り回すな」と通帳をくれてやる。
 大洋やかおりに進学の希望を話す航太に、家に戻った海斗から電話が入る。日南家近くの大学に進学すること、そして「今回コケにされた借りを返すから楽しみにしていろ」と言い残す。


このサイトで使用している全てのイラストの著作権は河あきら先生 にあります。
無断転載等は絶対にしないでください。